北の手マダム御用達 秋の和菓子を味わおう
日本の四季の移ろいを、手のひらに乗るほどの小さなかたちに写し取って、私たちの...

日本の四季の移ろいを、手のひらに乗るほどの小さなかたちに写し取って、私たちの目と下を楽しませてくれる和菓子。
スピードや効率ばかりが求められる世の中ですが、時にはほっと一息ついて、こんな和菓子たちとのおいしいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?
おいしいものにめっぽう目がない本紙記者が、野点セットを持参して、北の手エリアの小さな秋を探しに行って参りました。たどり着いた先は、いずれ劣らぬ名店ばかり。読者の皆様、北の手エリアの和菓子のレベルは相当に高いです!
(岡本 杏子/文・写真・イラスト)
■ 福島家 栗鹿子Kurikanoko福島家は、江戸時代の創業以来、自然素材のおいしさを追求し続けている。とりわけ栗には真摯なこだわりをもつ。筑波山麓の岩間町小田喜農園で作られる無農薬の栗を使用し、漂白や保存加工を一切しないで作られた栗のお菓子たちは、栗の香りが豊かに感じられる逸品ぞろい。
上生菓子は定番を含め常時15種類ほどが店頭に並び、そのうち3分の2は季節ごとに彩りを変える。ショーケースを眺めているだけで、日本の四季を実感することができるのだ。
店頭の地下に製菓工場をもち、出来たての美味しさを店舗併設の喫茶室で味わえるのも嬉しいかぎり。
■豊・巣鴨2-1-1■TEL3918-3330
■営業時間 9時~20時(喫茶は9時半~20時)
■定休日 月3回水曜日
お味見タイム!つややかに輝く黄金色の栗が見目麗しく、しばし目で楽しんでからいただくことに。口に含むと栗の香りがやさしく広がる。秋の香りがやさしく広がる。秋の香り豊かな栗、しっとりなめらかな白餡、とろけるような牛皮・・・・・・このコンビネーションに思わず拍手!
お値段 一個 262円(税込)
■ 平塚亭つるをか みたらし団子Mitarashidango平塚神社の参道脇にある平塚亭つるをか。大正初期に創業したお店は、当時のたたずまいを残して趣がある。この店は、内田康夫氏の小説『名探偵浅見光彦シリーズ』に度々登場し、内田ファンには特に有名だ。だが、内田ファンばかりでなく、近隣在住の方はもとより、以前近くに勤めていたという地方在住の方まで、変わらぬ味に心惹かれて訪れるお客さんが後を絶たない。老若男女に好かれる素朴でやさしい味が、他に変えがたい魅力だろう。お団子、大福、お稲荷さん、豆餅こうした庶民的な品揃えで、「親子三代、つるをか亭のおやつで育った」という人々を数多く生んできた。
■北・上中里1-47-2■TEL:3915-0277
■営業時間 9時~19時ごろ
■定休日 日曜日(お彼岸やお節句は営業)
お味見タイム!きらきらと光るタレの下に透けて見えるおこげ。みたらしは第一にこげ加減が重要だ。パクリとかぶり付く。しょうゆだれのあまさ加減、やわらかくモチモチとした団子の食感が絶妙。お皿に残ったたれも指ですくってペロリ!
お値段 一本 90円(税込み)
■ 土佐屋 芋ようかんImoyoukan赤紙仁王のすぐそばにある土佐屋。あんみつやあんこ玉など、昔ながらの懐かしい味が揃うが、とりわけ人気なのが芋洋かん。上質のさつまいもが採れる初秋からゴールデンウィーク頃まで店頭に顔を出す季節限定品である。原材料はさつまいもと少量の砂糖のみで、添加物は一切使わない。さつま芋は鹿児島産をメインに、季節ごとに他の地域のさつま芋を厳選して組み合わせ、変わらぬ美味しさを丁寧な手仕事で守り続けている。お彼岸のお墓参りの帰りに、ここで芋ようかんを買い求めることを楽しみにしている遠来のお客さんも多い。
■北・田端2-9-1■TEL:3821-4913
■営業時間 9時半~19時
■定休日 日曜日
お味見タイム!角に楊枝を当てると、少しの力ですーっと切れる。一口大にきった芋ようかんを口に運ぶと、しっとりとなめらかな舌触り。上質なさつまいもの香り、ちょうどよい甘さ加減、思わず頬がゆるんでしまう。食べきるのが惜しい!
お値段 一本 210円(税込み)
■ 千成もなか本舗 千成五色もなかSennari-goshoku-monaka
創業以来、一貫して厳選した素材にこだわり、合成保存料を一切使わない方針を貫いてきた千成もなか本舗。千成ひょうたんをかたどった千成もなかは、食べやすい二口サイズで、縁起物として贈り物にも人気が高い。5色の皮の中身はそれぞれ、小倉・ごま・梅・白・こしあんと味も違う。見た目も味も楽しめるうえ、一個から買えるのが嬉しい。店先には、きんつばや栗入りもなかなど様々な品が並ぶが、いずれもほんのり甘い小豆の美味しさがすばらしい。また、店舗の奥には散策の道すがら一息つける喫茶室があり、数量限定の赤飯弁当(840円)が人気だ。
お味見タイム!ひょうたんの頭から半分かじる。もなかがサクサクして香ばしい!「最中はこうでなくっちゃ」の最高峰の食感と香り、ここにあり。中のしっとりしたあんと最中が絡み合う見事な逸品。「もうひとつ」とつい手が伸びるサイズも◎。
お値段 一個 90円(税込)
■ 御菓子司 中里 揚最中Agemonaka明治時代に日本橋で創業。大正時代に駒込に移り、営業を続けてきた中里。看板商品の『揚最中』は現在の店主の祖父にあたる二代目店主が考案したもので、平成16年には北区の名品30選に選ばれている。
この揚最中は、味も形も一般に連想する最中と一味違う。皮が一風変わっているのだ。厳選した最中種をゴマ油でからりと上げ、まろやかな伊豆大島の塩がふってある。その二枚の皮の間に、北海道産の小豆で炊き上げられた粒あんが挟み込まれている。塩加減、香り、食感、この三位一体ともいうべき独特の風味が「クセになる」と評判だ。
■北・中里1-6-11■TEL:3823-2571
■営業時間 平日9時~18時、土曜・祭日9時~16時
■定休日 日曜日
お味見タイム!サイズは少々小ぶり、手で持ってかぶりつく。パリッと音をたてて最中が割れ、はじめにほんのりとした塩味が口に広がり、すぐに粒あんの甘みが追いかけてくる。はじめての味。このバランスの妙、やみつきになりそう!
お値段 一個 160円(税込)
■ 御菓子司 新月 煉り切り 玉菊tamagiku西ヶ原銀座にある新月。創業以来、代々の店主が大切にしているのは、素材の風味を最大限に活かすこと。北海道産の小豆や、キレのよい甘みの鬼ザラ糖など、材料はいずれも最高の品質のものを使用し、上品な味わいの和菓子を丁寧に作り上げている。
煉り切りなどの生菓子は、季節の移ろいに合わせて一ヶ月ごとに意匠や品揃えを入れ替えており、地域の方にとっては来客時のお茶請けなどに欠かせない一品となっている。
そのほか、お団子や大福などの朝生菓子や、甘酸っぱいあんずを入れたパイ菓子『染井の里』などの焼き菓子など、品揃えは多彩だ。
■北・西ヶ原3-63-5■TEL:3910-5813
■営業時間 平日10時~19時、日曜・祭日10時~18時
■定休日 月曜日
お味見タイム!こんもりと丸い玉菊。花弁の薄紅、花粉の黄、花びらの緑が鮮やかできれい。切り分けると中から濃いピンクとこしあんの深い小豆色が現れた。色の変化を充分楽しんだ後、パクリ。あと口すっきり、上品な味わい。シアワセ!
お値段 一個 250円(税込)
■ 榮太樓 栗入り 薯蕷まんじゅうKuriiri-jouyou-manju巣鴨地蔵通り商店街の榮太樓は、素材を吟味し、日夜おいしいものを探求してきた。品揃え豊富で、豆大福やわらび餅など人気の品は多々あるが、中でも栗入り薯蕷まんじゅうが一番人気。山芋を使った生地で作った皮の中に、大粒の栗が十勝産のこしあんに包まれて入っている。
また、この薯蕷まんじゅうは紅白でも作ることもでき、七五三や出産祝いなどに好評だ。そのほか抹茶で色付けした緑と組み合わせて仏事にも。「頂き物をして美味しかったから、今度は自分で買いに来た」というお客さんも多い。また、お店の奥には喫茶室もある。
■豊・巣鴨4-32-1■TEL:3918-3301
■営業時間 9時~19時
■定休日 不定休
お味見タイム!艶やかな白い皮の上に金箔。ひと口ほおばると、皮はしっとりねっちり、ほんのりと山芋の香りがする。続いて中からあっさりとしたこしあん、コロンとした大粒の栗が登場!この栗がとってもやわらかくて美味。何個でもいけそう!
お値段 一個 210円(税込)
■ 市松 栗きんとん里の秋satonoaki市松は、素材の美味しさにこだわり、究極の和菓子の味を求め続けてきた。この時季、店先には、おはぎやかぼちゃ饅頭など、豊穣の秋の味覚を詰め込んだ和菓子の数々が並ぶ。中でも、栗きんとん「里の秋」は絶品だ。全国一の栗の産地、茨城産の栗を使用。栗の皮むきから成型までの工程はすべて手作業。「手間はかかるが、味が違う」と昔ながらの製法を守り続けてきた。材料は、栗と少しの砂糖だけ。合成保存料は一切使っていないから安心して味わえる。
今年は創業55年の特別企画実施中。毎月11日には、月代わりで旬の和菓子が特別価格で提供される。
■豊島・巣鴨1-12-2■TEL:3941-7892
■営業時間 9時半~19時
■定休日 水曜日
お味見タイム!茶巾絞りのとんがり頭がかわいらしい。丸ごとほおばりたい気持ちを抑えて、お上品に切り分けてパクッ。口に広がる栗・栗・栗!ほんの小さな粒々が残る食感が栗の風味を際立たせる。栗よりおいしい栗きんとん!これホント。
3個入り 630円(税込)

■豊・巣鴨3-28-8